エシカルセミナー開催


「希望の持てる消費」ってどうすればいいのだろう

   消費に関する新しい動きを学ぶ「エシカルセミナー」(アサヒ・ファミリー・ニュース社主催)が10月19日、大阪・梅田で開かれました。セミナーには、30代から60代までの45人が参加。男性の姿も半数近く占めるなど、幅広い層の関心を集めたようです。

人は本来、正しいことをしたい


     セミナーは、まず河口真理子さん(大和総研主席研究員)が、「エシカルスタイルが求められる時代」と題して、消費者や企業の動きについて解説しました。河口さんは、「人は、本当はお金や地位より正しいこと」をしたい欲求が強いのではないかと見ます。それが3.11以降、より強くなり、人々の「心の優先順位がかわりつつある」のではないかと分析します。ではどうするか。ボランティアや寄付なのか。それより普段の生活で普通にできること=消費=を通じてやろう――それがエシカルの動きになっていると指摘しました。

    モノの生産から最終処分までの流れの中で、近代の消費者は「消費」の部分のみ関心を持ってきました。その範囲を少し広げてみませんか、と河口さんは呼びかけます。「だれがどこでどのように生産」したのか、そして「どう処分されるのか」まで、関心を持とうということです。複雑な流通過程をふまえてモノは消費者に届きますが、消費者が関心を示すことで企業や行政も社会も変わっていくことにつながります。

    講演のなかでは、途上国支援をしているバッグ・宝石のメーカー、日本の中小企業の伝統工芸技術をデザイン力で再生・復活させている会社、東北の被災支援をする化粧品メーカーなどが具体的に紹介され、関連のパンフレットに見入る参加者もいるほど。

    最後に河口さんは「全部エシカルな買い物をするのは大変です。無理せず10回に1回から始めましょう」と締めくくりました。

自分の経験を東北の被災農地に

   続いて「東北コットンプロジェクト、なぜ始めたか」と題して、プロジェクト発起人の一人・近藤健一さん(大正紡績繊維事業本部長)が語りました。エンジニアとして世界の綿花栽培を見てきた経験のある近藤さんは、「津波で被害を受けた東北の農地再生のためには綿花栽培が有効だ」と気づきました。綿花は塩分に強いからです。「数年綿花栽培をすることで労働と収益が得られ、そのあと再び米が栽培できるようになると確信している」と、続けます。このプロジェクトは、生産だけでなく、製造や流通業界まで賛同者が集まり、継続が可能なビジネスとしても動き始めています。

    近藤さんはまた、オーガニックコットンの第一人者です。世界各地の綿花栽培における農薬や殺虫剤の使用に対し、強い危機感をもっています。「いかに自然素材がいいか。体に対してだけでなく、実際に触るとわかるんですよ。そのよさがね」と近藤さんは語りました。

都市と里地里山の交流の新しい姿

    セミナーの最後には、都市と里地里山の交流をめざす「ニューツーリズム」について、兵庫県丹波市で実行委員会会長を務める高見豊さんが登壇。有機農業の先進地である丹波の魅力や、自ら取り組む森での幼児教育について紹介をしました。

    ※ここに登場しました近藤さんと高見さんを講師とした「エシカルカレッジ」が近く開講します。現在受講者を募集中です。詳細はこちらから。

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